今月の一皿

鋳物で熱々正統派ステーキ

写真・栗林成城 文・下谷友康

Photographs by Shigeki KURIBAYASHI

Text by Tomoyasu SHITAYA

新しい年に向けて、街が少しずつ活気を取り戻してきた。コロナとの戦いは一進一退だが、クリスマス、正月にかけては休戦してゆっくりと過ごしたいものだ。

神宮外苑と新宿御苑のあたりは、都内でも有数の緑が多いエリアだ。高いビルもあまりなく、ゆったりとした時間が流れている。『CHACOあめみや』は、そんな街にある古き良き時代の正統派ステーキハウス。巷では熟成肉が全盛だが、僕はこの店のシンプルな肉も大好きだ。

なんと親子四代にわたって通うお客様もいるそうで、「奇を衒わず、変わらないことが強みですね」とオーナーの雨宮登志夫さん。華美な装飾はなく、純粋にステーキ好きな人たちが大きな肉の塊を前に談笑し、ワインを飲んで楽しげな時間を過ごしているのがわかる。

店内に入るとまず目に飛び込んでくるのが、炭焼きの竈。ここで大きなブロックの肉を焼いてくれる。高温の直火のおかげで余分な脂は落ち、肉汁は旨みごと閉じ込められ、最高の状態でテーブルに運ばれてくる。炭火焼きならではの香りも最高だ。

何を食べても美味しいけれど、一番のおすすめはリブロース36オンス(1キロ)。それだからだろう、家族連れや友達同士など、大勢で楽しんでいる人たちが多いのも納得だ。

さて、そのステーキが盛り付けられる銀色のお皿だが、実は鋳物だ。熱々のこの皿に載せて提供することで、肉が冷めることなく美味しい状態が続くのだそう。だから最初はレアの肉をこの皿で好きな焼き加減にしていく。

まずは塩こしょうで。表面はカリッなのに、中はジュワッ。肉の旨みが口いっぱいに広がっていく。付け合わせのポテト、ニンジン、インゲンなども高品質で素晴らしい。リブロースは赤身の上品な旨みを、大きな塊のサーロインは質のいい適度な脂を感じさせる。肉質もしっかりとしていて食べ応え抜群だ。

おすすめのワインは、山梨県勝沼町の丸藤葡萄酒工業の「ルバイヤート」だ。この店のステーキにとても合う。特に肉にちょっとつける醤油や、ライスなどの和のテイストにもぴったりだ。このワイナリーとは開店当時からのお付き合いだそうだ。食事のお供に、ぜひ堪能していただきたい。

CHACOあめみや

写真はリブロース12オンス(4,730円)。豪快な36オンス(14,300円)は家族や仲間とシェアしたい。前菜もステーキハウスの正統派メニュー「エビのカクテル」(880円)を。年季の入ったお子様用の木の椅子が店内に。代々の常連客に使い続けられている。

住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷1-7-12

電話:03-3402-6066

営業時間:ランチ11:30~14:00(火~金曜)、ディナー17:00~22:00(火~土曜)、17:00~21:00(日曜・祝日)

定休日:月曜、第一日曜

*ご紹介したメニュー等は取材時のもので、季節によって変更となる可能性があります。事前にお店にご確認ください。

*掲載情報は2023年1&2月号掲載時点のものです。

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下谷友康さんが綴るコラム【今月の一皿】。今回は「鋳物で熱々正統派ステーキ」。