京都、路地のなじみ
写真・伊藤 信 文・水谷桃子(アリカ)
オフィスビルが集中する四条烏丸エリア。京都屈指のビジネス街でありながら、カフェや百貨店、複合施設が立ち並び、働く人だけでなく観光や買い物を楽しむ人々も行き交う活気のある界隈だ。
四条通の一本北、錦小路通をまっすぐ進むと、左手に細い路地が延びている。ビストロに居酒屋、もつ鍋店など飲食店が密集する通りだ。そんな路地裏にひっそりと佇むのが、創作串揚げと和洋食が楽しめる店『うらやま京色』である。
格子窓がやわらかな雰囲気を醸し出す2階建ての小さな町家。扉を開けると、バーのような落ち着きある空間が広がる。厨房を細長く囲むカウンター、その中央にはまるで寿司ネタが入るかのような木のケース。農家直送や京都市中央市場で手に入った野菜や魚介、肉、フルーツといった新鮮な素材がきれいに敷き詰められている。これら食材は揚げる前に一度木箱に詰められて登場。その後次々に料理へと変貌してゆく様を眺められるのは、カウンター席ならではの特権だ。
ここは、店主の山内秀彰さんが料理学校時代の仲間たちと作った京色グループの本店にあたる。2007年、四条寺町に誕生させた居酒屋『情熱食彩 京色』を皮切りに焼き鳥、天ぷらなどの姉妹店を次々オープン。そして2020年に串というジャンルに可能性を見出した山内さんが縁あってこの路地に店を移し、屋号も新たに『うらやま京色』が始動した。
「ソースのない串屋がしてみたかったんですよね」と話す山内さん。もともとイタリアン・洋食畑で腕を磨いた山内さんらしい、一風変わった串のコースが自慢だ。たとえば、タルタルソースで味わう「海老のカダイフ揚げ」に、素揚げしたパンの上に新鮮なウニとキャビアが贅沢に載った「うにパン」、そしてサルサソースのかかった「イカ墨のクリームコロッケ」。具材にはそれぞれ味付けが施されているので、串カツソースを付けなくても完成された一品として堪能できる。
さらに串揚げの間に、カニ味噌のバーニャカウダ、ウニのムースなど、通常串カツ店では目にしない洒落た品々が挟まれ、コク・酸味など様々な風味と食感で飽きのこない仕立てに。合わせるワインも思わず進んでしまう。
季節の一品や箸休めのメニューは、いつ来ても驚きがあるようにと、山内さんは日々呻吟しながら考案している。そんな料理の数々ともてなしが、なじみ客の心を掴んで離さない。四条寺町時代から通う、菓子老舗の大将などはなんと10年間ほぼ毎日訪れているのだそうだ。
うらやま京色
京都市中京区錦小路通烏丸西入占出山町310-7
電話:075-744-0160
営業時間:17:00~23:00(L.O. 22:30)
定休日:日曜、その他不定休
創作串揚げ堪能コース(全10品) 5,500円(税込)
*掲載情報は2025年4月号掲載時点のものです。
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水谷桃子(アリカ)さんが綴るコラム【京都、路地のなじみ】。今回は「町家のカウンターで創作串揚げと美酒に酔う」。