副業で経費に計上できるのはどこまで?確定申告の注意点も解説

更新日:2024年7月24日

会社員で副業を営んでいる場合でも、年間の所得が一定額を超えていれば確定申告が必要です。しかし、どこまで経費に計上できるのか、そもそもよくわからない人もいるのではないでしょうか?
ここでは、副業で経費にできる費用の見分け方や家事按分の方法、確定申告を行う際の注意点のほか、副業で納税額をできるだけ抑える方法について解説します。

副業でも所得区分によって経費の計上が認められる

副業であっても、その事業で得られる所得区分が「事業所得」「不動産所得」「雑所得」のいずれかにあたる場合、経費の計上が認められています。経費とは、事業を行うために支出した費用のことです。経費として計上した分は、確定申告において所得を計算する際に、収入から差し引くことが可能です。
たとえば、ネットショップを運営したり、イラストやプログラミングなどのスキルを活かしてフリーで仕事を受けたりするといった副業の場合、事業規模によって「事業所得」か「雑所得」のどちらかになります。副業として、家や土地、駐車場などを貸し出しているなら、その所得は「不動産所得」です。いずれの場合も、その事業を行うために支出した費用は経費の計上が可能となります。
一方で、本業とは別にアルバイトなどで雇われている先から給与を得ている副業の場合は、「給与所得」となり、経費の計上は認められません。

■経費計上が認められる所得区分と認められない所得区分
 

副業による支出で経費にできる費用の見分け方

副業の経費として計上できるのは、事業のために支出した費用です。経費になるかならないかの見分け方は、「事業との関係を明確に説明できるかどうか」でわかります。
たとえば、副業で翻訳を行っているなら、資料として購入した書籍代やオフィスの賃料、編集者との打ち合わせ会食代などが該当します。不動産を貸し出しているなら、ローンの金利や不動産管理会社に支払う管理費、固定資産税などの税金、広告宣伝費は事業に関係がある支出です。
一方で、事業とは関係のない、プライベートの支出は経費として認められません。たとえば、趣味で購入した書籍の代金や友人との食事代、自宅の固定資産税、レジャーに使う自家用車の購入費などは、いずれも経費にはなりません。
経費になる支出、ならない支出それぞれについて、代表的な例をいくつかご紹介しましょう。

<経費になる代表的な支出>

※いずれも副業で使用する場合

<経費にならない代表的な支出>

副業とプライベートの両方に使った費用は家事按分する

スマートフォンの通信費や自宅兼オフィスとして使用しているマンションの賃料など、副業とプライベートの両方で使った支出は、業務で使った分だけを経費として計上する「家事按分」を行います。家事按分とは、事業分だけを経費計上するために、割合で分ける計算方法のことです。
たとえば、自宅で副業していて、自宅の1室を副業で使っているとします。この副業で使用している部屋の面積が全体の4分の1の場合、家賃の25%を経費として計上できます。

■家事按分の例

なお、家事按分の方法に明確なルールはありません。しかし、好きに決めていいわけではなく、税務署に説明を求められた際に合理的な説明ができることが求められます。一般的には、使用面積や使用時間、走行距離などを基準とすることが多いでしょう。

副業の確定申告はいくらから必要?

会社員で年末調整を受けている場合も、基本的には副業の所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。
収入の金額ではなく、収入から経費を差し引いた所得金額であることに注意しましょう。たとえば、副業の収入が年30万円、経費が10万円の場合、年間の所得は30万円から10万円を引いた残りの20万円なので、確定申告は不要です。ただし、確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要になります。

なお、20万円以上の所得があっても確定申告が不要になるケースや、副業の所得が20万円以下でも確定申告をしたほうがよいケースもあるため確認が必要です。次に詳しく解説します。

FXや株式投資の利益があるケース

FXや株式投資による利益がある場合、FXの雑所得や株式投資の利益、副業の所得などをすべて合わせた、本業の給与以外の所得の合計が年20万円を超えると、確定申告が必要です。
ただし、株式投資で「源泉徴収あり」の特定口座を選んでいる場合や、上場株式の配当金等で源泉徴収だけで納税を済ませる「確定申告不要制度」を利用した場合は、それらの所得分は合計に含まれません。たとえば、源泉徴収あり特定口座取引での株取引で50万円の利益があっても、本業以外のそのほかの所得が副業の20万円のみなら、確定申告は不要になります。

20万円以下でも確定申告をした方がいいケース

確定申告が不要なケースでも、申告すると還付金を得られるため、申告した方がいい場合があります。還付金とは、納めすぎた税金が戻ってくることです。たとえば、副業でライターをしている場合、1年間の収入にかかる所得税を、報酬を支払う会社があらかじめ差し引く源泉徴収制度によって、報酬から10%があらかじめ徴収されています。年間所得が20万円以下の場合、この源泉徴収された分は納めすぎた税金になるので、確定申告をすると還付金が受け取れます。

副業の確定申告を行う際の注意点

副業の確定申告を行う際は、注意したい点が2つあります。ひとつは、青色申告を希望してもできない場合があること、もうひとつは、領収書やレシートを捨てないようにすることです。

所得区分が「雑所得」だと青色申告はできない

副業の確定申告を行う際の注意点として、副業の所得区分が「雑所得」の場合、青色申告はできません。青色申告ができるのは、事業所得、不動産所得、山林所得だけだからです。ただし副業でも、帳簿の作成・保存がなされており、社会通念上事業といえる場合、その副業は「事業所得」と認められ、青色申告が可能な場合があります。
なお、「不動産所得」は青色申告が可能ですが、最大65万円の青色申告特別控除を受けるには、不動産の貸し付けが事業的規模であるなど、いくつかの条件を満たす必要があります。

領収書やレシートは捨てない

副業の確定申告を行う際の注意点として、副業による支出での領収書やレシートは捨てないことです。
領収書やレシートのほか、帳簿や請求書、契約書など、書類の種類と確定申告の申告方式によって、それぞれ5~7年間の保存が義務付けられています。税務調査で提示を求められることがあるので、確定申告が終わっても、規定の年数はしっかり保存しておきましょう。

会社員が副業で納税額をできる限り抑える方法

会社員が副業で得た所得も課税対象となるので、所得に合わせた所得税を納めることになります。会社員が副業をする際は、さまざまな制度や控除などを利用して所得をできる限り減らし、正しい税額を納めることで、納税額をできる限り抑えましょう。納税額をできる限り抑える方法として、必ずチェックしておきたい4つの方法を解説します。

青色申告を利用する

納税額をできる限り抑える方法として、青色申告を利用することが挙げられます。
副業の所得が、「不動産所得」、「事業所得」、「山林所得」のいずれかであれば、事前に申請書を提出しておくことで、青色申告が可能です。青色申告は、帳簿のつけ方が複式簿記になりますが、青色申告特別控除や貸倒引当金の経費計上、赤字の繰り越しなど、白色申告にはない特典があります。青色申告を利用することで、白色申告の場合より納税額を抑えることが可能です。

損益通算を行う

納税額をできる限り抑える方法として、損益通算を行うことも挙げられます。
副業の所得が「不動産所得」や「事業所得」なら、赤字が出た場合に「給与所得」との損益通算が可能です。損益通算とは、利益と損失を相殺することを指します。たとえば、副業の「不動産所得」が30万円の赤字、本業の「給与所得」が300万円なら、損益通算後の所得は270万円となり、所得が少なくなった分、納める税金額も少なくなります。
なお、FXや株式投資が赤字の場合、「給与所得」との損益通算はできません。

各種控除の適用を受ける

納税額をできる限り抑える方法として、各種控除の適用を受けることはとても重要です。
たとえば、年間10万円以上の医療費を支払った場合は医療費控除が、年間1万2,000円以上のセルフメディケーション税制対象医薬品を購入した場合は、セルフメディケーション税制による控除が受けられます。どちらも年末調整では受けられず、確定申告で控除の申告を行う必要があるので、条件を満たす場合は必ず行いましょう。
また、住宅ローン控除(1年目)やふるさと納税の寄附金控除(ワンストップ特例制度を利用しない場合)も、条件を満たす場合は忘れず申告することで、納める税金を抑えられます。

経費を漏れなく計上する

納税額をできる限り抑える方法として、経費を漏れなく計上することもそのひとつです。
所得税や住民税を計算するもとになる「所得」は、収入から経費を差し引いた金額なので、経費を漏れなく計上することは、納める税金を抑えることにつながります。ただし、プライベートでの支出など、経費にはならない支出まで計上することはできません。税務署に不正な経費を計上したと判断されると、過少申告加算税などのペナルティを受けることもあるので注意しましょう。あくまで、事業を行ううえで支払った費用を漏れなく計上することが重要です。

経費を漏れなく計上するには事業用クレジットカードを活用しよう

経費の計上漏れをなくすには、事業用クレジットカードと事業用口座を作り、仕入れや経費の支払いを事業用クレジットカードに一本化するのがおすすめです。カード会社の利用明細書をチェックするだけで、いつ、どこで、何に、どれだけ使ったかも一目でわかるうえ、会計ソフトと連動すれば、自動で使用履歴の取り込みも可能です。経費管理の手間を減らしつつ、計上漏れなどのミスを防ぐことができます。
事業用クレジットカードとしておすすめなのは法人カードで、とくに個人事業・中小企業向けのものは、ビジネスカードと呼ばれています。「法人」という名前でも多くは個人事業主でも申し込みが可能です。

事業用クレジットカードならダイナースクラブがおすすめ

事業用クレジットカードは、各社からさまざまなものが発行されています。そのためどれを選べばいいのか迷いがちですが、ビジネス上での信用にもつながるカードのステータスや付帯するサービス・特典、年会費、国際ブランド、ポイントの貯まりやすさなどを総合的に考えて、使い勝手のいいカードを選ぶのがおすすめです。
その点、ダイナースクラブのビジネスカードは、ステータスの高さに定評があります。数あるビジネスカードの中で年会費は高めですが、その分サービスや特典が充実しており、ビジネスを強力にサポートしてくれます。
ここでは、ダイナースクラブ ビジネスカードと経費決済専用カードのダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの主な特徴を、それぞれ紹介します。

 

ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴

ダイナースクラブ ビジネスカードは、個人事業主・法人経営者向けのビジネス専用カードです。法人・団体などの代表者や役員、または個人事業主であればお申し込みいただけます。
ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴は次の通りです。

 

・企業役員や医師、弁護士など、社会的信用の高い人々に利用されてきた実績がある

ダイナースクラブはアメリカで1950年に誕生し、クレジットカード業界をリードしてきたカードです。日本では1961年から発行を開始し、以来、企業の役員、医師や弁護士といった国家資格を有する方など、社会的信用の高い方をメンバーとしてお迎えしてきました。
創業当時から今に至るまでの、クラブの信頼とステータスを高めるための積み上げがあるからこそ、ステータスカードとして広く認知されています。

・ダイナースクラブ ビジネスカードならではのサービスが利用できる

ダイナースクラブカードで利用できるサービスにプラスして、さらにビジネスに役立つ優待特典も多数ご利用いただけます。
たとえば、会計ソフトとの連携、税務相談や法律相談などの優待サービスがあるほか、事業承継やM&Aなどのビジネスコンサルティングサービスなどもあります。ゴルファー保険をはじめとするゴルフ優待サービスや加盟店優待、JALオンラインのインターネット予約サービスなどもご利用いただけますので、さまざまなビジネスシーンにご活用ください。

・ポイントの有効期限なしで、ワンランク上の賞品と交換できる

ダイナースクラブ ビジネスカードは、ポイントに有効期限がないので、好きなタイミングでポイントをご利用いただけます。貯めたポイントは、厳選グルメやオフィスでも活躍する人気メーカーの家電、ゴルフ用品、各種商品券などに交換可能です。いずれもステータスカードにふさわしい、ワンランク上の賞品がラインナップされています。

・利用可能枠に一律の制限なし

ダイナースクラブ ビジネスカードは、ご利用可能枠に一律の制限はありません。一人ひとりの利用状況や支払い実績に応じて、個別に設定されます。高額なお買い物の際は事前にご相談いただけるサービスもあり、高額なお買い物にも利用しやすくなっています。

・登記事項証明書の提出が不要、個人の信用でお申し込みができる

ダイナースクラブ ビジネスカードは、申込時に登記事項証明書(登記簿謄本)の提出は必要なく、事業主の信用情報だけでお申し込みができます。法人経営者・個人事業主のどちらでも、お申し込みが可能です。

・充実のビジネス特典がある

加盟店優待「ビジネス・オファー」、会計ソフト「freee」の優待、会員限定の招待イベントなど、ビジネスカードならではの特典も充実しています。

・従業員を含めた経費の一元管理が可能

ダイナースクラブ ビジネスカードは、18歳以上の従業員に対し、追加カードを4枚まで年会費無料で発行可能です(3、4枚目は1枚あたり年間5,500円(税込)のカード維持手数料がかかります)。従業員を含めた経費の一元管理が可能になり、出張費の精算や仮払いの手間も省けます。

■ダイナースクラブ ビジネスカードの主な特徴
年会費 27,500円(税込)
ポイント付与率 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント
旅行傷害保険 最高補償額1億円(海外・国内)
国際ブランド ダイナースクラブ(Diners Club)
追加会員 年会費無料(追加カード発行は4枚まで)
※カード維持手数料:3,4枚目のみ1枚あたり年間5,500円(税込)
ETCカード ・基本会員は5枚まで発行可能
・追加会員は1会員につき1枚まで発行可能
ポイント有効期限 なし
ショッピング保険 購入日より90日間、年間500万円まで

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの特徴

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードは、法人カードではありませんが、ダイナースクラブカードや各種提携カードの所有者が、追加で申し込める経費決済専用カードです。法人格を持たない個人事業主でも利用でき、ダイナースクラブカードをプライベート用、ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードを事業用と使い分けることで、経費管理の手間を大幅に軽減できます。

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードには、主に次のような特徴があります。

・プライベート用と事業用に分けて支払口座の設定が可能

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードと、本会員カードとなるダイナースクラブカードとで、別々の支払口座の設定が可能。法人口座の設定もでき、利用代金明細書も別になるため、プライベート用と事業用に分けた経費の管理が容易になります。

・年間手数料は経費に計上可能。ポイントは2枚のカードを合算して使える

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの年間手数料は、事業に関わる支出として経費計上できます。年間手数料が所得税の節税につながるため、お得なクレジットカードといえるでしょう。
なお、クレジットカードの利用で貯まったポイントは本会員カードのポイントと合算して利用できます。

・ダイナースクラブカードならではのサービスを利用できる

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードでも、JALオンラインのインターネット予約サービスなど、ビジネスに役立つサービスをご利用いただけます。さまざまなビジネスシーンにお役立てください。

■ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの主な特徴
年会費 5,500円(税込)
ポイント付与率 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント
旅行傷害保険 最高補償額1億円(海外・国内)
国際ブランド ダイナースクラブ(Diners Club)
ETCカード カード会員本人が所有する車両台数(車載器台数)に応じ5枚まで
※年会費・カード発行手数料無料
ポイント有効期限 なし
ショッピング保険 購入日より90日間、年間500万円まで

※ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード単体の発行はできません。

ダイナースクラブのビジネスカードを活用して、副業の経費をしっかり計上しよう

副業であっても、事業のために支払った費用は経費として計上でき、確定申告の際に収入から差し引くことができます。本業で年末調整を受けている会社員でも、副業を含む年間の給与外収入が20万円を超えると、確定申告を行う必要があります。経費を漏れなく計上することは、納める税金を最低限に抑えることにつながるので、経費はしっかり計上しましょう。

経費を漏れなく計上するには、ビジネスカードに支払いを一本化するのがおすすめです。中でも、ダイナースクラブのビジネスカードは、信用につながる高いステータスを持ち、ビジネスに役立つ特典・サービスが付帯した、使い勝手のいいカードです。カードの特典としては、JALオンラインのインターネット予約サービスや会計ソフトとの連携など、ビジネスに役立つ特典が充実。個人の信用のみで審査を受けられる魅力もあります。
ビジネスに寄り添うダイナースクラブのビジネスカードをぜひお手元に。

※本記事は、2024年5月現在の情報です。

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