家事按分とは?個人事業主が知っておきたい按分比率の計算方法
副業を含め個人で事業を行っていると、「プライベート用のスマートフォンを事業にも使う」「自宅の一室を副業のための仕事部屋にしている」など、プライベートと事業で兼用することがあります。このような場合に、事業で使った分の費用を、経費として計上する方法が家事按分です。
ここでは、家事按分について、家事按分できる経費や按分する割合、税務調査が行われるかどうかなどを解説します。
<目次>
家事按分とは、事業用とプライベート用の経費を割合で分けること
家事按分とは、事業とプライベートを兼ねた支出について、事業分だけを経費計上するために、割合で分ける計算方法のことです。個人事業主が自宅などをプライベートと事業の両方に使っている場合に、家賃や光熱費などの一部を経費として計上することができます。個人事業主がプライベートと事業の両方で使っていれば家事按分の経費の対象となります。家事按分できる代表的な経費としては、次に挙げる家賃、水道光熱費、通信費、自動車関連費用などがあります。なお、事業内容は本業や副業を問いません。
家賃
水道光熱費
通信費
自動車関連費用
▼個人事業主・副業の経費について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください
経費とは?経費になるものや経費管理に便利なクレジットカードを紹介家事按分する割合と計算例
家賃を家事按分する場合
たとえば、自宅兼事務所の全体の床面積が80平方メートルで、10平方メートルある一室を事業用スペースとして使っているとします。この場合の按分比率は、次のように計算します。
<家賃の按分比率の計算例>
10平方メートル÷80平方メートル=12.5%
なお、家事按分の基準には、面積のほか時間も有効です。1週間で使用する総時間のうち、事業用として使っている時間などを按分比率の基準にすることができます。
水道光熱費を家事按分する場合
たとえば、1週間のうち平日8時間、自宅で事業を行っている場合、週の合計時間に占める業務時間の按分比率は、次のように計算します。
<水道光熱費の按分比率の計算例>
(8時間×5日)÷(24時間×7日)=40時間÷168時間=約24%
家族と暮らしていて、時間を基準にすることが難しい場合は、家賃のように面積を基準にする方法も有効です。
通信費を家事按分する場合
たとえば、毎日8時間自宅で業務を行っている場合、週の合計時間に占める業務時間の按分比率は、次のように計算します。
<通信費の按分比率の計算例>
(8時間×5日)÷(24時間×7日)=40時間÷168時間=約24%
自動車関連費用
たとえば、年間の走行距離が1万km、そのうち事業のために走行した距離が4,000kmの場合、按分比率は次のように計算します。
<自動車関連費用の按分比率の計算例>
4,000km÷1万km=40%
確定申告における家事按分の取り扱い
青色申告での取り扱い
白色申告での取り扱い
ただし、メーターが別についているなど、事業のために使った分だけを明らかに区分することができる場合は、50%以下でも事業利用分を経費に計上できます。
家事按分した場合の記帳方法
例として、自宅兼事務所の賃料が月10万円で、時間基準での計算で20%を事業利用(地代家賃2万円)、80%をプライベートで利用(事業主貸8万円)している場合は、以下のような処理になります。
■毎月の記帳の場合
毎月家事按分を行う場合、借方に地代家賃と事業主貸を記載し、借方に賃料をまとめた10万円を記載します。日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
6月30日 | 自宅兼事務所の賃料 | 地代家賃 | 20,000円 | 普通預金 | 100,000円 | |
事業主貸 | 80,000円 |
■1年分まとめて記帳する場合(毎月の記帳内容)
毎月の記帳では、月額賃料を全額、地代家賃として記帳します。日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
6月30日 | 自宅兼事務所の賃料 | 地代家賃 | 100,000円 | 普通預金 | 100,000円 |
■1年分まとめて記帳する場合(決算日の記帳内容)
日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
12月31日 | 自宅兼事務所の賃料の按分
(事業主貸80%) |
事業主貸 | 800,000円 | 地代家賃 | 800,000円 |
税務調査に備えた家事按分の注意点
家事按分した経費について税務調査を行うかどうかは税務署に決定権があり、正確に家事按分を行い、正直に申告を行っていたとしても、税務調査の対象となることはあります。税務調査を受けた場合、家事按分周りは税務調査で指摘されやすいため、按分比率の計算や記帳を行うときから、次のようなことに注意しておきましょう。
経費算入の基準を明確にする
一貫した基準のもとに、利用時間などの明確な根拠に基づいて算出することと、税務調査があった場合に対応できるよう、領収書や按分比率を算出した根拠をしっかり残しておきましょう。
生計を共にする家族や親族に払った家賃は経費算入しない
按分比率に迷う場合は専門家に相談する
経費管理を簡単にしてくれるビジネスカード
ダイナースクラブ ビジネスカード
ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード(経費決済専用カード)
所得税や住民税は、収入から経費を差し引いた所得に対してかかります。そのため、納める税金の額を抑えるには、家事按分も含めて、計上できる経費を漏れなく正確に計上することが大切です。
経費の計上漏れを防ぐために有効な方法のひとつは、事業に関する支払いはできる限り「ビジネスカード」と呼ばれるクレジットカードを使うことです。ビジネスカードとは、個人事業主や中小企業のビジネスオーナーなどに向けて設計された法人カードのことを指します。
事業用の支払いをビジネスカードに一本化すれば、クレジットカードの明細をチェックするだけですべての支出が把握でき、計上漏れが防げるのはもちろん、間違えてプライベートでの支出を計上してしまうミスも防げます。
ビジネスカードにもさまざまな種類がありますが、ビジネスの場で広く利用することを考えると、信頼につながるカードブランド「ダイナースクラブ」がおすすめです。
ダイナースクラブのカードラインナップには、ビジネスに特化した個人カード「ダイナースクラブ ビジネスカード」と、個人向けのダイナースクラブカードに付帯できる経費決済専用の「ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード」があります。それぞれの特徴を紹介します。
ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴
ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴は次の通りです。
・企業役員や医師、弁護士など、社会的信用の高い人々に利用されてきた実績がある
創業当時から今に至るまでの、クラブの信頼とステータスを高めるための積み上げがあるからこそ、ステータスカードとして広く認知されています。
・ダイナースクラブ ビジネスカードならではのサービスが利用できる
たとえば、会計ソフトとの連携、税務相談や法律相談などの優待サービスがあるほか、事業承継やM&Aなどのビジネスコンサルティングサービスなどもあります。ゴルファー保険をはじめとするゴルフ優待サービスや加盟店優待、JALオンラインのインターネット予約サービスなどもご利用いただけますので、さまざまなビジネスシーンにご活用ください。
・ポイントの有効期限なしで、ワンランク上の賞品と交換できる
・利用可能枠に一律の制限なし
・登記事項証明書の提出が不要、個人の信用で申し込みできる
・充実のビジネス特典がある
・従業員を含めた経費の一元管理が可能
■ダイナースクラブ ビジネスカードの主な特徴
年会費 | 27,500円(税込) |
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ポイント付与率 | 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント |
旅行傷害保険 | 最高補償額1億円(海外・国内) |
国際ブランド | ダイナースクラブ(Diners Club) |
追加会員 | 年会費無料(追加カード発行は4枚まで)
※カード維持手数料:3,4枚目のみ1枚あたり年間5,500円(税込) |
ETCカード | ・基本会員は5枚まで発行可能
・追加会員は1会員につき1枚まで発行可能 |
ポイント有効期限 | なし |
ショッピング保険 | 購入日より90日間、年間500万円まで |
ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの特徴
・プライベート用と事業用に分けて支払口座の設定が可能
・年間手数料は経費に計上可能。ポイントは2枚のカードを合算して使える
なお、クレジットカードの利用で貯まったポイントは本会員カードのポイントと合算して利用できます。
・ダイナースクラブカードならではのサービスを利用できる
■ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの主な特徴
年間手数料 | 5,500円(税込) |
---|---|
ポイント換算率 | 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント |
旅行傷害保険 | 最高補償額1億円(海外・国内) |
国際ブランド | ダイナースクラブ(Diners Club) |
ETCカード | カード会員本人が所有する車両台数(車載器台数)に応じ5枚まで
※年会費・カード発行手数料無料 |
ポイント有効期限 | なし |
ショッピング保険 | 購入日より90日間、年間500万円まで |
※ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード単体の発行はできません。
ビジネスカードを活用して家事按分をしっかり行おう
副業を持つ人を含めて個人事業主は、プライベートと事業の両方で使用する物が多くあります。家事按分を行うことで、事業で使った分は経費として計上できるため、必ず計上するようにしましょう。もしも税務調査が行われたとしても、按分比率の基準を明確にしたうえで正しく記帳していれば、慌てる必要はありません。
なお、家事按分で利用する費用の管理も含め、経費管理は手間がかかります。そこで、経費の支払いをビジネスカードに一本化して、費用決済はすべてそのカードで行うようにすれば、経費管理を簡単にすることが可能です。
ビジネスカードはさまざまな種類があり、どのカードを選ぶか迷うかもしれませんが、ビジネスカードを選ぶ際に重要な要素はステータスです。ステータスの高いクレジットカードを持っているということは、安心できるビジネスを展開している証でもあります。ダイナースクラブは、1950年に米国・ニューヨークのレストランで生まれ、日本で最初のクレジットカードを発行した国際ブランド。安心して使えること、さまざまなサービスが支持されていることなどは、60年以上の歴史が証明しています。
ダイナースクラブ ビジネスカードは、JALオンラインのインターネット予約サービスや会計ソフトとの連携など、ビジネスに役立つ特典が充実。法人でも申し込みに登記事項証明書等が不要で、個人の信用のみで審査を受けられる魅力もあります。
ビジネスに寄り添うダイナースクラブカードをぜひお手元に。
※本記事は、2023年12月現在の情報です。