起業するには何が必要?起業の流れや法人化するタイミングも解説

更新日:2025年2月14日

趣味として始めた活動や副業が軌道に乗ってきたとき、事業化を考えるのは、ごく自然なことです。
とはいえ、実際に起業をするとなると、「起業のイメージがわかない」「起業の流れや進め方が分からない」という方も、多いのではないでしょうか。

ここでは、個人事業主または法人として「起業」することの意味や、起業までの流れ、会社員と事業者の違いについて解説します。また、起業後の経費管理をスムーズにする、おすすめの方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

起業とは個人事業主・法人として事業を始めること

起業とは、開業届を出した個人事業主または登記した法人として事業を始めることです。
起業をするのに特段必要な要件はなく、会社員や学生でも起業できます。ただし会社員の場合、会社によっては就業規則違反となる可能性があるので、その点は注意が必要です。

起業のタイミングについても特にルールはありません。一応の目安として、趣味や副業の所得が年20万円を超え、確定申告が必要となるようであれば、起業を検討してみるのがおすすめです。

起業するまでの流れ

趣味の活動や副業を事業化したり、事業を一から興したりと、起業のスタイルはさまざまです。しかし、どのような形であっても、起業するまでの流れはほぼ同じといえます。ここでは、起業するまでの7つのステップを見ていきましょう。

1. 起業する目的を明確にする

まずは、「なぜ起業したいのか」を考え、起業する目的を明確にします。
すでに趣味や副業として活動している場合でも、「なぜ起業するのか?」を考えることは、事業方針を決める核となります。今後どのように事業を行っていきたいのか、という指針になるほか、困難に直面した時の力にもなるため、起業の目的を明確にすることは大切です。

趣味や副業から起業する場合は、「青色申告を可能にして、税制上のメリットを得ること」も起業する目的となります。趣味や副業の収入から経費を差し引いた「所得」が年間20万円を超えると、開業届を出していてもいなくても、確定申告が必要です。なお、開業届を出している場合、所得が「事業所得」や「不動産所得」と認められて青色申告を選択できれば、最大65万円の青色申告特別控除といった税制上のメリットがあります。

2. 何をするかを決める

起業する目的が明確になったら、次は「何をするのか」を考えていきましょう。具体的には、誰に、何を、どうやって売るのかを突き詰め、どのようなビジネスモデルにするのかを決めていきます。

趣味や副業からの起業の場合、「誰に」「何を」「どうやって」はすでに決まっている場合もありますが、ビジネスとして続けていくには、利益率や効率をよりしっかりと考える必要があります。想定される市場や同業他社の状況を調査し、あらためて自身の強みや弱みを掘り下げて事業戦略を立て、必要に応じて事業計画書を書いてみてください。

3.事業の形態を決める

起業して何をするのかが決まったら、次は事業形態を決めます。事業形態には大きく分けて、法人と個人事業主があります。

■法人と個人事業主
・法人

法人とは、法律によって人(自然人)と同様に一定の範囲で権利を持ち、義務を負うことが認められた組織や団体のことです。事業を行う法人としては、株式会社や合同会社、NPO法人などがあります。
法人を設立して事業を行う場合は、法人自体が権利義務の主体となり、法人名義で契約の締結や債務の負担、財産の保有などを行います。法人は、社会的信用を得やすく、経営者本人に支払う給与を経費として計上できるといったことがメリットです。一方で、法人税、法人住民税、法人事業税といった税金の納税義務があります。

・個人事業主

個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を営む人(自然人)のことです。自分で一から事業を興すほか、フランチャイズやM&Aを利用して個人事業主になる方法もあります。
個人事業主の場合は、個人が権利義務の主体となるため、契約の締結や債務の負担、財産の保有等も個人名義で行うことになります。法人と個人事業主の主な違いは、以下の通りです。

■法人と個人事業主の主な違い
法人 個人事業主
種類 株式会社、合同会社、NPO法人など 事業者が一から興す、フランチャイズ利用、M&A利用など
権利・義務の帰属先 法人 経営者個人
経営者の個人的財産・権利・義務 法人の財産・権利・義務とは区別される 区別されない
例えば、事業上の負債は経営者個人に返済責任がある
納める主な税金 法人税、法人住民税、法人事業税、消費税 所得税、住民税、事業税(業種による)、消費税
設立費用 必要 不要
設立手続き 設立登記が必要 開業届を提出
資金の扱い 資本金となり、自由に引き出すことはできない 資金の出し入れに細かい制約はない
経費 経営者自身に対する給与などの支払いを経費に計上できる 経営者個人に給与所得はないため経費にはできないが、専従者への給与を経費にできる(青色申告者の場合)
主な社会保険 厚生年金と被用者保険 国民年金と国民健康保険
社会的信用(それぞれと比較して) 高め 低め

4. 必要な資金を用意する

起業するには、初期費用と当面の運転資金が必要になります。さらに、法人を設立する場合は設立費用も必要です。事業形態が決まったら、必要な資金を計算して調達手段を考えましょう。
資金を集める方法としては、以下のようなものがあります。

・自己資金を貯める

必要な資金をすべて自己資金でまかなえるなら、月々の返済や利子の支払いを考える必要はありません。ただし、すべてを自己資金で用意しようとすると、資金が貯まるまで起業できないという点がデメリットとなります。
「副業として自宅で行っていたプログラミングを事業化する」というように、初期費用・運転資金が小さく抑えられる場合は問題ないでしょう。一方で、「店舗を借りてレストランを始める」といった、初期費用・運転資金が大きくなる起業の場合は、自己資金だけでなく、ほかの資金調達方法と組み合わせるのがおすすめです。

・融資を受ける

日本政策金融公庫や銀行、信用金庫などから、融資を受ける(借り入れる)方法もあります。
融資を受けるには、各金融機関や信用金庫に事業計画書などを提出して審査を受け、審査基準をクリアすることで融資がなされます。なお、融資は借金であり、借入額に応じた月々の返済と利子の支払いが発生するため注意が必要です。

・補助金や助成金を活用する

補助金や助成金とは、国や地方公共団体が提供している支援制度です。
補助金は主に経済産業省系列、助成金は主に厚生労働省系列の支援金になります。利用するにはどちらも審査がありますが、補助金は採択件数や金額といった「枠」が決まっていて競争が激しいのに対し、助成金は要件をクリアしていれば原則受給できる点が異なります。
なお、補助金・助成金は基本的に後払いなので、一度すべての費用を負担しなければいけない点には注意してください。

・クラウドファンディングを活用する

クラウドファンディングとは、インターネットを活用して、事業の趣旨や内容に賛同する不特定多数の人から資金を集める方法です。商品やサービスのPRを兼ねられるので、資金集めといっしょにマーケティングができるというメリットもあります。

5. 開業・設立に必要な手続きをする

法人なら法務局で設立登記を行い、個人事業主なら税務署に開業届を提出します。
そのほか、飲食店なら「食品衛生責任者」と「防災管理者」の資格や、店舗の営業許可書も必要になるなど、事業内容によってはさらに手続きが必要です。開業・設立に必要なすべての手続きを、忘れずに行いましょう。

6. 実際に事業を始める

すべての手続きを終えた後は、実際に事業を開始します。確定申告に備えて、事業上の取り引きを帳簿に付けて保管しておきましょう。
個人事業主の場合は、毎年1月1日~12月31日までの所得を、原則翌年の2月16日~3月15日(土・日・祝日は翌平日)の期間に、法人の場合は、毎事業年度終了日の翌日から2ヵ月以内に確定申告を行います。

7. 法人化を検討する

個人事業主として事業を始めた場合でも、状況の変化によっては、個人事業主より法人として営業したほうが、メリットが大きい場合もあります。以下のような状況なら、法人化を検討してみるのもおすすめです。

<法人化を検討するタイミングの例>

・個人事業の所得が700万円を超えた
・2年前の売上が1,000万円を超えた
・事業の拡大を考えている

経営者と従業員の違い

起業するとは、経営者になることを指しますが、従業員と経営者では「収入」「時間」「裁量」などにおいて、さまざまな違いがあります。
起業する前に、経営者と従業員の違いをしっかり把握しておきましょう。経営者と従業員の主な違いは、以下の通りです。

■経営者と従業員の主な違い

起業に向いている人・向いていない人

実際、経営者にも従業員にもさまざまな人がいるため、どんな人が起業に向いている、向いていないと言い切ることはできません。
ただし、前述した収入、時間、裁量の違いから、一般的には以下のようにいわれています。

<起業に向いている人>

・行動力や決断力がある
・柔軟性がある
・専門のスキルやノウハウを持っている
・コミュニケーション能力が高い
・リスクをおそれずに挑戦でき、失敗してもあきらめない

<起業に向いていない人>

・責任感に欠ける
・慎重すぎる
・失敗するとすぐモチベーションが下がる
・お金の管理が苦手

起業後の経費管理には法人カードが便利

個人事業主や法人は、事業の収支を把握し、毎年度の確定申告に備えて経費を管理する必要があります。そこで、経費管理の手間を減らすのにおすすめなのが、法人カードを持ち、経費などの支払いを一本化する方法です。

すべての支出を法人カードにまとめることで、クレジットカードの明細をチェックするだけで、いつ、何に、どれだけ使ったのかを把握できます。また、会計ソフトと連携して、履歴を自動で取り込むようにすれば、帳簿の入力ミスもなくなり、確定申告の手間の削減にもつながります。さらに、法人カードは追加カードが発行できるのも特徴です。追加カードを従業員に持たせておけば、経費立替の必要がなくなるほか、追加カードと本カードのポイントを合算できます。

法人カードにはさまざまなものがありますが、ビジネスシーンでの信頼につながるカードブランド「ダイナースクラブ」がおすすめです。
ビジネスに特化した「ダイナースクラブ ビジネスカード」と、ダイナースクラブカードに付帯できる、経費決済専用の「ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード」、それぞれの特徴をご紹介しましょう。

ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴

ダイナースクラブ ビジネスカードは、個人事業主・法人経営者向けのビジネス専用カードです。法人・団体などの代表者や役員、または個人事業主であればお申し込みいただけます。

ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴は次の通りです。

 

・企業役員や医師、弁護士など、社会的信用の高い人々に利用されてきた実績がある

ダイナースクラブはアメリカで1950年に誕生し、クレジットカード業界をリードしてきたカードです。日本では1961年から発行を開始し、以来、企業の役員、医師や弁護士といった国家資格を有する方など、社会的信用の高い方をメンバーとしてお迎えしてきました。
創業当時から今に至るまでの、クラブの信頼とステータスを高めるための積み上げがあるからこそ、ステータスカードとして広く認知されています。

・ダイナースクラブ ビジネスカードならではのサービスが利用できる

ダイナースクラブカードで利用できるサービスにプラスして、さらにビジネスに役立つ優待特典も多数ご利用いただけます。
たとえば、会計ソフトの優待サービス、税務相談や法律相談などの優待サービスがあるほか、事業承継やM&Aなどのビジネスコンサルティングサービスなどもあります。ゴルファー保険をはじめとするゴルフ優待サービスや加盟店優待、JALオンラインのインターネット予約サービスなどもご利用いただけますので、さまざまなビジネスシーンにご活用ください。

・ポイントの有効期限なしで、ワンランク上の賞品と交換できる

ダイナースクラブのポイントには有効期限がないため、好きなタイミングでポイントをご利用いただけます。貯めたポイントは、厳選グルメや人気メーカーの家電、ゴルフ用品、各種商品券などに交換可能です。いずれもステータスカードにふさわしい、ワンランク上の賞品がラインナップされています。

・利用可能枠に一律の制限なし

ダイナースクラブのカードは、ご利用可能枠に一律の制限はありません。一人ひとりの利用状況や支払い実績に応じて、個別に設定されます。高額なお買い物の際は事前にご相談いただけるサービスもあります。

・登記事項証明書の提出が不要、個人の信用でお申し込みができる

ダイナースクラブ ビジネスカードは、申込時に登記事項証明書(登記簿謄本)の提出は必要なく、事業主の信用情報だけでお申し込みができます。法人経営者・個人事業主のどちらでも、お申し込みが可能です。

・充実のビジネス特典がある

加盟店優待「ビジネス・オファー」、会計ソフト「freee」の優待、会員限定の招待イベントなど、ビジネスカードならではの特典も充実しています。

・従業員を含めた経費の一元管理が可能

ダイナースクラブ ビジネスカードは、18歳以上の従業員に対し、追加カードを4枚まで年会費無料で発行可能です(3、4枚目は1枚あたり年間5,500円(税込)のカード維持手数料がかかります)。従業員を含めた経費の一元管理が可能になり、出張費の精算や仮払いの手間も省けます。

■ダイナースクラブ ビジネスカードの主な特徴
年会費 27,500円(税込)
ポイント換算率 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント
旅行傷害保険 最高補償額1億円(海外・国内)
国際ブランド ダイナースクラブ(Diners Club)
追加会員 年会費無料(追加カード発行は4枚まで)
※カード維持手数料:3,4枚目のみ1枚あたり年間5,500円(税込)
ETCカード ・基本会員は5枚まで発行可能
・追加会員は1会員につき1枚まで発行可能
ポイント有効期限 なし
ショッピング保険 購入日より90日間、年間500万円まで

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの特徴

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードは、法人カードではありませんが、ダイナースクラブカードや各種提携カードの所有者が、追加で申し込める経費決済専用カードです。法人格を持たない個人事業主でも利用でき、ダイナースクラブカードをプライベート用、ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードを事業用と使い分けることで、経費管理の手間を大幅に軽減できます。

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードには、主に次のような特徴があります。

・プライベート用と事業用に分けて支払口座の設定が可能

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードと、本会員カードとなるダイナースクラブカードとで、別々の支払口座の設定が可能。法人口座の設定もでき、利用代金明細書も別になるため、プライベート用と事業用に分けた経費の管理が容易になります。

・年間手数料は経費に計上可能。ポイントは2枚のカードを合算して使える

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの年間手数料は、事業に関わる支出として経費計上できます。年間手数料が所得税の節税につながるため、お得なクレジットカードといえるでしょう。
なお、クレジットカードの利用で貯まったポイントは本会員カードのポイントと合算して利用できます。

・ダイナースクラブカードならではのサービスを利用できる

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードでも、JALオンラインのインターネット予約サービスなど、ビジネスに役立つサービスをご利用いただけます。さまざまなビジネスシーンにお役立てください。

■ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの主な特徴
年間手数料 5,500円(税込)
ポイント換算率 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント
旅行傷害保険 最高補償額1億円(海外・国内)
国際ブランド ダイナースクラブ(Diners Club)
ETCカード カード会員本人が所有する車両台数(車載器台数)に応じ5枚まで
※年会費・カード発行手数料無料
ポイント有効期限 なし
ショッピング保険 購入日より90日間、年間500万円まで

※ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード単体の発行はできません。

起業後の経費管理の手間削減に法人カードを活用しよう

趣味や副業として行っている活動を事業化するのは、ハードルが高いように思うかもしれません。しかし、起業の目的を明確化し、事業内容を掘り下げて、事業形態を決定して…と一つひとつ進めていくことで、新しい一歩を踏み出すことができるでしょう。

なお、起業後の帳簿付けや経費管理の手間をできる限り軽減するには、法人カードを活用するのがおすすめです。「ダイナースクラブ ビジネスカード」「ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード」は、ビジネスに役立つ特典やサービスを備えた使いやすさはもちろん、信用につながるステータスの高さで事業をしっかりサポートします。ビジネスに寄り添うダイナースクラブカードをぜひお手元に。

※本記事の内容は、2024年11月現在の情報をもとに制作しています。

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