事業計画書の作り方とは?書き方のポイントを項目別に解説

更新日:2025年3月31日

事業計画書は、事業の内容や見通しについてまとめた書類です。開業資金の融資を受けたり、補助金・助成金を利用したりする際、第三者に向けて事業の内容や計画を伝え、「これは出資に値する事業である」と納得してもらうために必要になります。

ここでは、事業計画書とはどのような書類なのか、事業計画書を作成する際の注意点のほか、作成するメリットについても解説しますので、これから事業を始める方は、ぜひ参考にしてください。

事業計画書とは?

事業計画書とは、事業の概要や経営戦略、収益予測などをまとめた書類のことです。
基本的に、外部の第三者に自身の事業について伝えるために作成するものであり、投資家や金融機関から投資・融資を受ける際や、補助金・助成金を申請する際に必要となります。
事業計画書の内容によって投資や融資の可否が判断されるため、非常に重要な書類です。

■事業計画書の内容
 

事業計画書の記載事項

事業計画書に、決められた書式はありません。「どのような事業なのか」、「どうやって収益を上げるのか」、「将来に向けてどれくらいの収益が見込めるのか」、「収益見込みの根拠は何か」といったことがまとまっていればよく、形式は自由です。
ただし、第三者に自身の事業の意義や収益性を示し、「投資や融資、補助金・助成金の支給を行うべき事業である」と納得させられる内容でなくてはならないので、必要な情報を簡潔かつ見やすくまとめる必要があります。

事業計画書の主な記載事項は、次の通りです。

■事業計画書の主な記載事項
創業者のプロフィール 創業者の経歴や保有する資格を記載します。
経歴や資格が事業内容につながる場合は、過去に担当した業務の内容なども記載すれば、融資担当者等からの評価につながりやすくなります。「この人物がこの事業を行うなら成功するだろう」と伝わる、説得力のある書き方を心掛けましょう。
ビジョン・理念・目的 創業の動機や目的、事業の理念、将来のビジョンを記載します。
事業の理念とは、事業が社会にどのように貢献するのかを端的に表現したもので、「こうあるべき」というベースの考え方です。
ビジョンとは、「3年後の売上2,500万円、営業利益500万円を達成する」など、企業の将来の姿を言語化したものになります。
企業・事業の概要 企業の概要には、企業・店舗の所在地や連絡先などの基本情報を記載します。
事業の概要には、何を(商品・サービスの内容)、誰に(ターゲット顧客)、どのように提供するのか(商品・サービスの提供方法)を記載します。
商品・サービスにどのような魅力があるのか、どうやってリピーターを獲得するのかまで含めて、事業の全体像がわかるようにまとめましょう。
体制や人員計画 常勤役員や従業員の数、今後の採用計画などを記載します。ビジョンと連動するように、事業拡大を想定した人件費・採用費用の計画も記載します。
取引先・取引関係 販売先・仕入れ先など、主な取引先を記載します。
お金の流れがスムーズであることがポイントです。起業段階で取引先を確保できていれば、融資などの担当者からの信頼につながる効果が期待できます。
市場環境と競合の状況 自社の商品・サービスの市場規模、市場の動向、事業に関連する政策の動向、競合他社の状況などを記載します。
競合他社の戦略や強み・弱みをしっかり分析したうえで、自社商品・サービスの独自性や強み・弱みをまとめましょう。弱みについては、どのように改善するかも記載します。
自社の商品・サービスの強みや特徴 企業・事業の概要と市場環境と競合の状況を踏まえたうえで、改めて自社の商品・サービスの強みや特徴をアピールします。競合他社との違いを明確にし、自社にしか提供できない価値があることを伝えましょう。
販売戦略やビジネスモデル 商品・サービスの強みや競合の状況などを踏まえたうえで、商品・サービスをどう広めていくのか、販売していくのかを記載します。
顧客に商品・サービスを知ってもらうためのプロモーション戦略、販売チャネル、リピーターを獲得するための取り組みなどに分けてまとめると、書きやすいでしょう。
売上に関する計画 売上目標および目標を達成するための施策を、具体的な数値を使ってまとめます。業態ごとの平均原価率といった経営指標も参考にして、見込客数、想定客単価を想定し、実現可能な計画を立てていきましょう。
商品・サービスごとに分けて考えたり、顧客の属性ごとに分けて考えたりするのも効果的です。
利益に関する計画 利益に関する計画は、投資や融資を受けるうえで非常に重要な項目です。
利益とは、売上から売上原価や販売費、減価償却費、人件費、管理費、借入利息、法人税などを差し引いたものなので、これらの項目について順を追って予測し、利益を計算していきます。この作業により、利益を出すにはどこに費用をかけ、どこの費用を削るべきかが見えてきます。
資金調達に関する計画 利益に関する計画と並び、必要な資金とどう調達するかを記載する重要項目です。
事業を営むのに必要な資金は、開業資金(設備資金)と運転資金に分かれます。開業資金については、事業に不可欠な設備投資であり、投資金額が妥当であることを示す必要があります。運転資金については、売上に関する計画と利益に関する計画と整合性がとれるようにまとめることが重要です。

事業計画書のひな型や作成例

事業計画書は、特に専門知識がなくても作成は可能です。一般的に、簿記やFP(ファイナンシャルプランナー)などの資格があれば、専門知識が事業計画書の作成に役に立つことがありますが、必須ではありません。
インターネット上では、質問に答えていくことで無理なく事業計画書が作成できるサポートツールやアプリも提供されています。
このほか、事業計画書を作成する際は、公開されているひな型の利用や作成例を参考にすることをおすすめします。
たとえば、次で紹介する日本政策金融公庫やJ-net21では、ウェブサイト上で事業計画書の情報が提供されており、誰でも利用が可能です。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、「一般の金融機関が行う金融を補完すること」を旨としつつ、国の政策にもとづき、中小企業・小規模事業者や農林漁業者などの資金調達を担う政府金融機関です。
代表的な創業融資機関であり、ウェブサイトでは創業計画書のひな型がダウンロードできるとともに、事業ごとの記入例も見ることができます。

■事業計画書の記入例(一部)

J-Net21

J-Net21は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する中小企業ビジネス支援サイトです。
事業計画書のひな型は提供していませんが、ウェブサイトにて、事業計画書の作成手順や飲食業、小売業、サービス業の事業計画書作成例を紹介しています。

■事業計画書の作成例(一部)

事業計画書を作成する際の注意点

事業計画書は、融資・投資判断に影響を及ぼす重要な書類だけに、その作成にあたってはいくつか気をつけたい点があります。特に注意しておきたいのは次の2点です。

具体的かつわかりやすく書く

事業計画書を作成するうえで最も重要なのは、第三者が読む書類だということを忘れず、具体的かつわかりやすくまとめることです。必要な情報を盛り込み、簡潔でわかりやすい表現を心掛けましょう。
読む人は事業に関する知識がないことが前提なので、専門用語を使用する場合は、補足説明をつけるといった配慮も必要です。表やグラフを使って、視覚的にわかりやすく表現するのも効果的といえるでしょう。

事業計画書を読む人が「この事業は、十分投資・融資するに値する」と思うような説得力のある内容にするには、具体的な数字を挙げ、その根拠まで含めて示すことも重要です。たとえば、小売業で「3年後に売上げ2,500万円、営業利益500万円」とのビジョンを掲げるなら、1年後、2年後の見通しや、その根拠となる見込来店者数、客単価、売上原価や販促費用などを数字で示す必要があります。しっかり数字で根拠を示すことで、説得力のある事業計画書になります。

競合について書く

事業計画書で自社の商品・サービスをアピールすることは非常に重要ですが、自社のアピールばかりで競合についての調査・分析がないと、計画が甘いと捉えられる可能性が高まります。市場はどのような状況なのか、競合他社にはどのようなものがあり、どのような商品・サービスを、どのような戦略で販売しているのかを把握し、事業計画書に盛り込みます。
その中で、自社商品・サービスの強みや魅力はどこにあるのか、自社商品・サービスに弱みがあるとすれば、どのような方法で改善するのかまで記載することが重要です。その結果、事業計画に説得力が増し、「この事業は、十分投資・融資するに値する」と思われる事業計画書になります。

事業計画書を作るメリット

事業計画書を作る目的は、資金提供者からの資金調達です。そのため、事業計画書を作ることで、資金提供者にアピールしやすくなるというメリットがあります。 しかし、事業計画書を作成するメリットは、ほかにもあります。ここでは、次の2つを紹介しましょう。

■事業計画書を作る2つのメリット

事業の整理や可視化ができる

事業計画書を作成するメリットには、事業の整理と可視化ができることが挙げられます。事業の概要や目指す方向性、目標のほか、市場の中での自社の立ち位置、自社の商品・サービスの強みなどが明確になるでしょう。
実際に事業の運営が始まり忙しくなると、目先の業務に集中しがちです。事業計画書の作成を通して、事業の全体像が可視化されていれば、運営が始まった後でも、事業全体のプラン像を見直しやすくなります。

創業メンバーと方向性を共有しやすくなる

創業メンバーが複数人いる場合、事業計画書を作成するメリットには、事業の方向性を共有しやすくなることが挙げられます。創業者をはじめとするメンバーとは、自分たちの事業が何を目指しているのか、今後どのように進めていくのかをしっかり共有しておくことがとても重要です。方向性がぶれてしまうと、メンバー同士で軋轢が生じたり、スタートしたばかりの事業が立ち行かなくなってしまったりする可能性があります。
そのため、事業の概要や方向性が可視化された事業計画書があれば、認識を共有でき、お互いのあいだに齟齬が生じるのを防げます。

事業を始めるときは、法人カードの活用がおすすめ

事業計画書に沿って事業を発展させていくためには、商品・サービスのPRや販売だけでなく、経理事務をきちんとこなすことも重要です。個人事業主・法人ともに、1年に1度、確定申告を行って税金を納めることになるので、その準備として、日々の取引を正確に記帳し、収入や仕入れ費用・経費を正確に把握しておく必要があります。

事業を始めたばかりであれば、まずは事業を軌道に乗せることが先決でしょう。その中で、経費管理の負担を減らす方法として、法人カードの活用をおすすめします。

法人カードを利用して、仕入れや経費の決済を一本化すると、利用明細書をチェックするだけで支出が把握できます。また、会計ソフトと連携することで、自動で取引履歴の取り込み・仕訳も可能です。経費の計上漏れがなくなるので、必要以上の税金を納めずに済むでしょう。

法人カードにはさまざまなものがありますが、信頼につながるカードブランド「ダイナースクラブ」がおすすめです。
ここでは、法人・個人事業主向けの「ダイナースクラブ ビジネスカード」と、個人向けのダイナースクラブカードに付帯できる、経費決済専用の「ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード」について、それぞれの特徴をご紹介します。

ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴

ダイナースクラブ ビジネスカードは、個人事業主・法人経営者向けのビジネス専用カードです。法人・団体などの代表者や役員、または個人事業主であればお申し込みいただけます。
ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴は次の通りです。

 

・企業役員や医師、弁護士など、社会的信用の高い人々に利用されてきた実績がある

ダイナースクラブはアメリカで1950年に誕生し、クレジットカード業界をリードしてきたカードです。日本では1961年から発行を開始し、以来、企業の役員、医師や弁護士といった国家資格を有する方など、社会的信用の高い方をメンバーとしてお迎えしてきました。
創業当時から今に至るまでの、クラブの信頼とステータスを高めるための積み上げがあるからこそ、ステータスカードとして広く認知されています。

・ダイナースクラブ ビジネスカードならではのサービスが利用できる

ダイナースクラブカードで利用できるサービスにプラスして、さらにビジネスに役立つ優待特典も多数ご利用いただけます。
たとえば、会計ソフトの優待サービス、税務相談や法律相談などの優待サービスがあるほか、事業承継やM&Aなどのビジネスコンサルティングサービスなどもあります。ゴルファー保険をはじめとするゴルフ優待サービスや加盟店優待、JALオンラインのインターネット予約サービスなどもご利用いただけますので、さまざまなビジネスシーンにご活用ください。

・ポイントの有効期限なしで、ワンランク上の賞品と交換できる

ダイナースクラブのポイントには有効期限がないため、好きなタイミングでポイントをご利用いただけます。貯めたポイントは、厳選グルメや人気メーカーの家電、ゴルフ用品、各種商品券などに交換可能です。いずれもステータスカードにふさわしい、ワンランク上の賞品がラインナップされています。

・利用可能枠に一律の制限なし

ダイナースクラブのカードは、ご利用可能枠に一律の制限はありません。一人ひとりの利用状況や支払い実績に応じて、個別に設定されます。高額なお買い物の際は事前にご相談いただけるサービスもあります。

・登記事項証明書の提出が不要、個人の信用でお申し込みができる

ダイナースクラブ ビジネスカードは、申込時に登記事項証明書(登記簿謄本)の提出は必要なく、事業主の信用情報だけでお申し込みができます。法人経営者・個人事業主のどちらでも、お申し込みが可能です。

・充実のビジネス特典がある

加盟店優待「ビジネス・オファー」、会計ソフト「freee」の優待、会員限定の招待イベントなど、ビジネスカードならではの特典も充実しています。

・従業員を含めた経費の一元管理が可能

ダイナースクラブ ビジネスカードは、18歳以上の従業員に対し、追加カードを4枚まで年会費無料で発行可能です(3、4枚目は1枚あたり年間5,500円(税込)のカード維持手数料がかかります)。従業員を含めた経費の一元管理が可能になり、出張費の精算や仮払いの手間も省けます。

■ダイナースクラブ ビジネスカードの主な特徴
年会費 基本会員 27,500円(税込)
ポイント換算率 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント
旅行傷害保険 最高補償額1億円(海外・国内)
国際ブランド ダイナースクラブ(Diners Club)
追加会員 年会費無料(追加カード発行は4枚まで)
※カード維持手数料:3,4枚目のみ1枚あたり年間5,500円(税込)
ETCカード ・基本会員は5枚まで発行可能
・追加会員は1会員につき1枚まで発行可能
※年会費・カード発行手数料無料
ポイント有効期限 なし
ショッピング保険 購入日より90日間、年間500万円まで

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの特徴

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードは、法人カードではありませんが、ダイナースクラブカードや各種提携カードの所有者が、追加で申し込める経費決済専用カードです。法人格を持たない個人事業主でも利用でき、ダイナースクラブカードをプライベート用、ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードを事業用と使い分けることで、経費管理の手間を大幅に軽減できます。

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードには、主に次のような特徴があります。

・プライベート用と事業用に分けて支払口座の設定が可能

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードと、本会員カードとなるダイナースクラブカードとで、別々の支払口座の設定が可能。法人口座の設定もでき、利用代金明細書も別になるため、プライベート用と事業用に分けた経費の管理が容易になります。

・年間手数料は経費に計上可能。ポイントは2枚のカードを合算して使える

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの年間手数料は、事業に関わる支出として経費計上できます。年間手数料が所得税の節税につながるため、お得なクレジットカードといえるでしょう。
なお、クレジットカードの利用で貯まったポイントは本会員カードのポイントと合算して利用できます。

・ダイナースクラブカードならではのサービスを利用できる

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードでも、JALオンラインのインターネット予約サービスなど、ビジネスに役立つサービスをご利用いただけます。さまざまなビジネスシーンにお役立てください。

■ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの主な特徴
年間手数料 5,500円(税込)
ポイント換算率 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント
旅行傷害保険 最高補償額1億円(海外・国内)
国際ブランド ダイナースクラブ(Diners Club)
ETCカード カード会員本人が所有する車両台数(車載器台数)に応じ5枚まで
※年会費・カード発行手数料無料
ポイント有効期限 なし
ショッピング保険 購入日より90日間、年間500万円まで

※ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード単体の発行はできません。

具体的かつわかりやすい表現を心掛けて事業計画書を作成しよう

事業計画書とは、事業の概要や経営戦略、収益予測などをまとめた書類のことです。金融機関などから融資を受ける際などに提出が必要となる、非常に重要な書類です。
日本政策金融公庫のひな型や、質問に答えていくことで事業計画書を作れるサービスなども活用して作成しましょう。第三者に対して自身のビジネスの重要性を伝える書類であることを念頭に、具体的かつわかりやすい表現を心掛けることが大切です。

事業を営むには収入や経費を正確に把握することも欠かせませんが、こちらは法人カードを活用して支払いを一本化し、会計ソフトと連携することで、事務負担の軽減が可能です。さまざまな法人カードの中でも、ダイナースクラブのビジネスカードは、信用につながる高いステータスを持ち、ビジネスに役立つ特典・サービスが付帯した、使い勝手の良いカードです。
カードの特典としては、JALオンラインのインターネット予約サービスや会計ソフトとの連携など、ビジネスに役立つ特典が充実。個人の信用のみで審査を受けられる魅力もあります。
ビジネスに寄り添うダイナースクラブのビジネスカードをぜひお手元に。

※本記事の内容は、2025年1月現在の情報をもとに制作しています。

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