ふるわからん 「ななつ星」では、九州を代表する〝食の鉄人〞たちが、持てる力を振り絞って、乗客の舌を満たす料理を提供している。3泊4日のコースでは、博多を代表する鮨店『やま中』の大将・山中啄生さん自らが本店と同じスタイルで、乗客の前で握ってくれる。ほかにも宿泊先の名旅館や名店の味を通じて、九州のエッセンスを知ることができる。 1泊2日のコースでは、「ななつ星」開業当初から参加している生え抜きの一人で、長崎を代表する『ホテルニュー長崎』の名誉総料理長・川端明さんのフルコースを車内でいただく。 長崎といえば、鎖国の時代でも唯一海外交易を許されていた土地柄。そうした海外との交流によって生まれた「和華蘭料理」が川端シェフの真骨頂。フレンチをベースに、日本料理の「和」、中華料理の「華」にオランダの「蘭」を調和させたご当地の味だ。ツアーデスクを通じて、30名の乗客の好みを事前にしっかりと把握する。好き嫌いやアレルギーはもちろんのこと、量や味付け、油の量を調整し、お歳を召した方への配慮もなされている。念を入れて、乗車の前に試食会を行い、味を調整、さらに当日も味見を重ねて最終チェックしている。「ななつ星」は車両という制約上、厨房に充分なスペースはないが、そんなことを微塵も感じさせない、おもてなしの心で、川端シェフ自らが腕を揮ってくれる。 ダイナースクラブの特別ツアーがある老、イトヨリ鯛、アオリイカやジャガイモ、キノコ類など。メニュー名は極力シンプルにという方針のもと、厳選された食材を、斬新な組み合わせや調理法で楽しませてくれる。加えて『清六窯』の白磁の個性を生かした盛り付けが〝眼福〞をもたらしてくれることだろう。 川端さんは「リクエストにはノーと言わない姿勢で取り組んでいます。乗客の皆さんに、感動を与えるような料理を提供していきたいと思っています。そうして、また長崎を訪れてくれれば、こんなに幸せなことはありません」と、締めくくってくれた。28イメージダイニングカーで供される洋食には、有田の窯元『清六窯』の白磁のプレート類が用いられる。ダイナースクラブ特別ツアーの愉しみ①11月に旬を迎えるのは、伊勢海老、車海九州食材の魅力を発信し続ける福岡フレンチの名店 『レストラン・ジョルジュマルソー』。 長崎出身の小西晃治シェフがこだわるのが、 地元の食材に特化したフランス料理である。 大分や佐賀の契約農家から仕入れる野菜、 唐津港で水揚げされる魚介類、 九州産の黒毛和牛……この店には、 産地ならではの素材の持ち味を存分に引き出した料理を求め、 全国からグルメファンが集まる。 「ななつ星in九州」の車内では3泊4日14ある客室はすべて意匠や調度品が異なるので、乗るたびごとに新たな発見が。写真は、7号車のデラックススイートA。文・髙杉公秀写真提供・JR九州レストラン・ジョルジュマルソー福岡市中央区大手門1-1-27オーテモンウェルリバーテラス1F営業時間:ランチ 11:45~15:00(L.O.13:30)ディナー 18:00~23:00(L.O.21:00)電話 092-721-5857http://gm.9syoku.comコースの1日目の夕食でしか味わえないが、 今回のダイナースクラブの特別ツアー(38ページ)では、 1泊2日コースの前日のディナーとして供される。*料理写真はすべてイメージですcolumnText by Kimihide TAKASUGI Photographs Courtesy of JR KyushuCRUISE TRAIN “SEVEN STARS IN KYUSHU”海と山がもたらす“旬”
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