トノー型ムーブメント。ケースとの確固たる呼応 写真・大志摩徹 文・大川邦之 ブレゲ以来の天才時計師のひとりといわれるミシェル・パルミジャーニが、スイスのフルリエに工房を構えて22年。地道な過去の名機の分析と、再生などの技術の蓄積と錬磨、傑出した構成力と美意識によって、新進マニュファクチュールとしての評価を築き、毎年のジュネーブサロンでの新作への期待は大きい。 今春発表のモデル、写真左は、地板にすべての機構を組み込んだ一体型、積算計表示等の視認性を高め、ケース型に合わせたハイビート高精度ムーブメントを搭載したカルパグラフクロノメーター。右は約8日間というロングパワーリザーブの自社製キャリバーを搭載したカルパエブドマデール。ケース、ラグ等に力感をもたせて、人気のカルパコレクションは新世代に突入した。 「どんな手首にも快適にフィットする腕時計」をめざし、ミシェルは厚紙で作った時計の模型で多くの人の実感を集約、机上の設計ではない感性で彼のトノー(樽)型を生んだ。その穏やかさが精緻で秀抜な内部機構と相まって歴史に残るカルパとなった。カルパは、時間計測の本質を教えてくれている。共に、18KRGケース、エルメス社製アリゲーターストラップ。左:48.2×40.4㎜、自動巻き、パワーリザーブ約65時間、30m防水、3,996,000円(税込)右:42.3×32.1㎜、パワーリザーブ ツインバレル約8日間、30m防水、3,672,000円(税込)お問い合わせ パルミジャーニ・フルリエ電話03-5413-5745どちらもトノー型ケースに合わせた高性能自社製ムーブメントを搭載。手首になじむ、エレガントなモデル。次世代に継承したい機能と造形美だ。21PARMIGIANI FLEURIERPhotograph by Toru OSHIMAText by Kuniyuki OKAWAWhat’s new ? Watch & Jewelry
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