SIGNATURE2016年12月号
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静かな温泉療養地だったウジェニー・レ・バンは、今や〝ゲラール村〟の様相を呈している。小さな村の半分ほどもがゲラール夫妻が手がけるホテルやレストランなどからなる『レ・プレ・ドゥジェニー』だ。村に入るとすぐに、世界中から厳選された、アール・ド・ヴィーヴルの魅力を追求するホテル&レストランの協会「ルレ・エ・シャトー」に加盟する『レ・プレ・ドゥジェニー』の大きな看板が現れる。ルレ・エ・シャトーには1968年に加盟。今では協会にとってもメンター的な存在だ。季節の花々が咲き乱れる庭園や巨大なプラタナスが立ち並ぶ木立、テニスコートやプール、果樹園や菜園などに取り囲まれた広大な敷地内には、3つ星レストランが入る本館、こぢんまりとした農家風ホテルとビストロ、修道院の雰囲気を持つシックで落ちついたホテル、カジュアルホテル、スパ、カフェ&インテリアショップ、そして料理学校までが点在していて、自然美と共存する〝ゲラールワールド〟を形成している。それぞれの建物の雰囲気に合わせてしつらえられた内装は、すべて妻のクリスティーヌ夫人の手によるもの。そのセンスのよさには定評があり、フランスのインテリア雑誌に特集が組まれることも。美食のレベルに寄り添うように、ホテルとし広大な敷地に点在する4つのホテル。華やかでラグジュアリーな雰囲気からのどかでシンプルシックな部屋まで、様々なスタイルの快適さを提案。36本館の一隅を占める「スイートウジェニー」。この村を愛したナポレオン3世皇妃・ウジェニーの名を冠した、温かみのある落ち着いた内装が魅力の広々としたスイートルームだ。左:車寄せから望む本館正面。車を降りた瞬間から、ゲラールワールドの魅力に包まれる。右:本館から2〜3分の所にある、農家風ホテルの一室。ナチュラルな気のおけない雰囲気で人気の部屋。   

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