SIGNATURE2016年08_09月号
48/73
右:GⅠに自分の愛馬を出走させた時には、レース前に馬が周回するパドック(下見所)の内側から愛馬の様子を確認することができる。中:「東京競馬場」内の出走馬主ラウンジ。出走馬主のリボンを持つ馬主だけが利用できる特別な場所。左:同じく「東京競馬場」内にある馬主専用観戦席。ビッグレースの日でも人混みを避けて優雅にレースに集中。詳細は、東京馬主協会のホームページ(http://www.toa.or.jp/)で、紹介されている。*有名な馬の名前や奇矯な名前、営利広告を目的とした名前はつけられない等のルールがあります。競馬場の、そしてテレビ中継を通じて全国の競馬ファンから注目される至福の時が、ウイナーズサークルでの記念撮影、「口取り」。写真は、2013年秋の天皇賞で優勝を飾ったジャスタウェイとその馬主・大和屋暁氏(左から3人目)。Informationダイナースクラブ会員限定イベント東京競馬場で馬主体験会競馬を深く知るための、レースの向こう側のストーリー 馬主。特別な響きを持つ言葉ですよね。「人間が創造した最も美しい芸術品」と言われるサラブレッドを所有し、レースで走らせる。競馬ファンにとっては憧れの存在です。 その馬主の資格を得るためには、「所得」と「資産」の両方の要件をクリアする必要があります。JRA(日本中央競馬会)の個人馬主の場合ですと、過去2年間の所得が1700万円以上、資産が7500万円以上ということになります。 これは、サラブレッドを購入し、毎月、管理する厩舎へ高額の預託料(約60万円)を支払うための経済的要件が求められるからです。 ですから馬主は、ステータスの象徴と呼ばれるのではないかと思います。 そして馬主バッジを胸に、競馬場でも優雅に過ごすことができます。 各競馬場のスタンドに用意されている馬主専用のフロアでゆっくりと寛いだり、レースが見やすい馬主専用席で愛馬の走りを観戦することができるのです。 愛馬が優勝した暁には、ウイナーズサークルで、愛馬の横で手綱を持ち、関係者の皆さんとともに記念の“口取り写真”を撮影します。しみじみ羨ましいシーンです。 また、最も格の高いGⅠレース(日本ダービー、天皇賞、有馬記念など)に愛馬が出走する時は、パドック(下見所)の内側に入ることができます。競馬発祥の地・イギリスに範をとったもので、これも、馬主でしか味わえない至福感があるのではないでしょうか。 そしてサラブレッドの美しさに加え、騎手が纏う色鮮やかな勝負服もレースに華やかさを添えています。その勝負服は決められた色や柄の中から、馬主が自由にデザインできるのです。馬名も2文字以上、9文字以内のカタカナで、好きな名前がつけられます。* 牧場に足を運んだり、あるいはセリで、愛馬とめぐり合い、デビューの日を迎える。我が子のように成長を見守り、一戦一戦喜怒哀楽をともにする。 仕事一筋に忙しく歩んでこられた方が、友人の勧めで馬主になり、人生が豊かになったというお話もよく耳にします。 昨年の菊花賞を愛馬・キタサンブラックで優勝。馬主になって53年目で文・鈴木淑子(競馬パーソナリティ)馬主の世界を体験できるイベントを、2016年11月に東京競馬場で実施予定です。詳細は、『シグネチャー10月号』に掲載予定です。ご期待ください。初めてGⅠレース制覇の栄誉を手にされた歌手の北島三郎さん。涙の後のとびっきりの笑顔と、ファンの方への感謝を込めた表彰台での『まつり』の熱唱が忘れられません。 馬主ライフは、これからもずっと憧れです。68vol.Text by Yoshiko Suzuki馬主ライフを体験すると、レースがもっとおもしろくなる04
元のページ
../index.html#48