SIGNATURE2016年04月号
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醬油を粉末にした伝統と革新の名料亭 写真・大志摩徹 文・品川雅彦創業、安政3年(1856年)。伝統に寄り添いながら今を磨き続ける『下鴨茶寮』。この京都の名料亭が生み出し、大好評を博しているのが「料亭の粉しょうゆ」だ。きっかけは3年ほど前。懐石コースの揚げ物を供する際に、衣の食感を損なわないように粉状の醤油を添えたことに始まる。これが食通の舌を驚かせ、唸らせた。レパートリーは次々に増えていく。刺身によし、焼き魚によし、卵料理によし、肉料理にもよし。単純にご飯にかけて海苔を巻くにあたっても、パリパリとした食感のまま味わえる。意外な組み合わせとしては、バニラアイスにほんの少し振りかけて。ふんわりと揺らぐ醬油の香りが、アイスの甘さと滑らかさをいっそう引き立てる。使用している醬油は250年余の歴史を有する香川の老舗『かめびし屋』の3年熟成もの。液体醤油の旨みを凝縮して粉末化し、そこに料理長が柚子と一味を絶妙にブレンドした。日々のお弁当や、海外旅行などのお供、ギフトとしても最適な逸品。和の食の新たな領域が広がっていく。いちみPhotograph by Toru OshimaText by Masahiko Shinagawaお問い合わせ 下鴨茶寮 電話075-692-2003ショコラをテーマにしたパリのコンクールでも「料亭の粉しょうゆ」を使った出品作が最高位を獲得するなど、すでに海外でも熱い注目を浴びている。液体から粉末へ。和食の調味料を代表する醬油は『下鴨茶寮』によって進化の道へ。3袋+陶器のセット1,620円(税込)27デジタル版シグネチャーは下記よりご覧ください。http://www.diners.co.jp/ja/sig/m1604/new ?What’s GourmetSHIMOGAMOSARYO
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