SIGNATURE2016年04月号
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大胆かつ精巧な刺繍バックパック写真・大志摩徹 文・松尾千鶴子ミラノコレクションにとって、グッチの新クリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレの存在は大きい。前回はチームを率いて5日間で作り上げたメンズコレクションでジェンダーの境界を超えて世界を驚かせ、時間をかけた今回は、ジェンダーも時代も、素材も装飾も、等しく価値あるものとして受け止め再構成していたのである。今度はこの解放感が世界をうならせた。2回目のメンズコレクションであ   る今回、目を引いたのがグッチの定番GGスプリームキャンバスを使ったバッグ。キャンバス地にポリウレタン加工を施し、花柄をプリント。さらにその上にフェニックス、フラワー、蜜蜂の刺繍をあしらっている。メンズアイテムに花柄や刺繍を加えるという大胆な発想が爽快だ。レザーのトリミングやベルトは深いグリーンで統一。アイデアも芸術的色彩感覚も抜群で、バックパックというカジュアルなアイテムの概念をも超えている。背側はメッシュパッド、内部のライナーは先端素材のアルカンターラで、モバイルPCを入れるポケットも設えていて、質実な機能も忘れていない。23Photograph by Toru OshimaText by Chizuko Matsuohttp://www.diners.co.jp/ja/sig/m1604/エンブロイダリーバックパック(H41×W31.5×D14.5㎝)312,000円(税抜)お問い合わせグッチ ジャパン カスタマーサービスフリーダイヤル0120-88-1921デジタル版シグネチャーは下記よりご覧ください。長年モードを見てきた世代には、今回のグッチは新鮮さと同時にノスタルジーをも感じさせる。才能あるクリエイターのデザインと、ビッグブランドの確かなもの作りが融合したバッグは、ジェンダーも世代も超えて自由に使える逸品である。new ?What’s FashionGUCCI

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