SIGNATURE2016年04月号
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19ColumnSignatureText by Naoki Hayashidaレイ・チェン(ヴァイオリン)ⓒJulian Hargreaves音楽監督就任記念日本ツアー2016佐渡裕指揮 トーンキュンストラー管弦楽団お申し込み・お問い合わせ:2016年5月21日(土)14:00開演(13:30開場)カンフェティ チケットサービス会場:ミューザ川崎シンフォニーホール〈Bプロ〉フリーダイヤル 0120-243-543 料金:S席19,000円(月〜金曜 10:00〜18:00 土・日曜・祝日休) 2016年5月23日(月)19:00開演(18:30開場)会場:サントリーホール〈Bプロ〉料金:S席19,000円 指揮:佐渡裕 演奏:トーンキュンストラー管弦楽団曲目:〈Bプロ〉ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61(ヴァイオリン:レイ・チェン) R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」 作品40佐渡裕ⓒJun Yoshimura※やむを得ない事情により出演者・曲目が 変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。※出演者変更にともなうチケットの払い戻し、 公演日・券種の変更はお受けできません。※未就学児童のご入場不可。※お手元にダイナースクラブカードをご用意のうえ、 お電話ください。*オンラインでのチケット購入の方法は92ページをご覧ください。トーンキュンストラー管弦楽団ⓒWerner Kmetitsch 2015年秋、オーストリア、ウィーンのトーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督に佐渡裕が就任したが、このコンビがいよいよ5月に来日公演を行う。108年の伝統をもつこのオケは、筆者もウィーンでブラームスの実演を聴いたことがあるが、低弦のたっぷりとした味わい深い響きにすっかり魅了されたのをよく覚えている。ウィーンといえばウィーン・フィルやウィーン響を思い浮かべる人も多いだろうが、まぎれもなくトーンキュンストラーもれっきとしたウィーンを代表する一流団体だ。 オーケストラにとっていつも定期演奏会を行っている本拠地のコンサートホールは、楽器そのものであり大きな意味を持つが、その点ここは、世界一の響きを持つといわれる黄金のホール、ウィーン楽友協会大ホールで、日曜日の午後3時のコンサートを任されているのが大きい。かつてはフルトヴェングラーも指揮したというウィーンの歴史ある老舗なのだ。 「就任して半年、明らかに“化学反応”が起きています。リアクションも早いし、妥協せず、健康的に目標に向かっていくオケですね」と語る佐渡だが、実は彼に音楽監督就任の要請があったのは初めて指揮したその直後だったという。出会いというのはそういうものかもしれない。一度会っただけで、この人をわれわれのシェフに、というプロポーズがありうるのが音楽の世界の面白いところ。ちなみにこのオケ、いまやオーストリアでもあまり使われなくなりつつあるウィンナ・ホルンの音色を楽しめるほか、オーボエやティンパニも独自の楽器の音色を持っている。そういった独自性や地方色を味わうのは、オーケストラ音楽の醍醐味の一つだろう。 来日公演の曲目は、ナクソスから新譜がリリースされるR.シュトラウス「英雄の生涯」、そしてブラームスの交響曲第4番がメインとなる。ベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲」(ソロ:レイ・チェン)、「ピアノ協奏曲第1番」(ソロ:アリス・紗良・オット)等も加わって豪華な内容となっている。 「演奏会の目的は、まずは音楽を楽しむことですが、いま戦争の絶えないこの時代に、文化によって壁を飛び越えるということも大切です。ぜひいい演奏会にしたい」と語る佐渡が、新音楽監督として振るウィーンの名門の演奏は、きっと大きな満足を与えてくれることだろう。文・林田直樹Ticket InformationEntertainment3欧州屈指の管弦楽団を率いた、音楽の都ウィーンからの凱旋
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